おすすめ DVD 宮崎駿作品
風の谷のナウシカ
腐海(ふかい)と呼ばれる毒の森とそこに棲む蟲(むし)たちに支配された世界。辺境の王国・風の谷には、自然を愛で、蟲とすら心を通わせる少女ナウシカがいた。腐海を焼き蟲を滅ぼそうとする大国の争いに巻き込まれながらもナウシカは、人を愛するのと同様に蟲たちをも愛そうとする…。 アニメ誌に連載していた自らの漫画を原作に、宮崎駿が監督を務めた劇場用長編アニメ。母の優しさと獣の荒々しさを兼ね備えたヒロイン、おぞましくもどこかしら哀しさを感じさせる蟲という存在、あるときは風に乗りあるときは雲を割いて空を駆ける飛行機械など、それまでの宮崎作品の集大成にしてその後の原点と呼べるような1本だ。音楽を久石譲が手がけて「宮崎×久石」の黄金コンビが生まれるきっかけともなったが、そのテーマ曲も美しいことこの上ない。 巨大な王蟲(オーム)の群れが暴走するクライマックス、そしてナウシカの純粋な魂が胸を締めつけるラストシーンは圧巻。日本のアニメ史上にさん然たる金字塔をうちたてた作品である。
天空の城ラピュタ
空から少女が落ちてくる―!少年パズーがその少女を助けたことで物語は幕を開ける。少女の名はシータ。空の海賊一味となぞの黒眼鏡の男達に追われていた。シータが持っていた「飛行石」の神秘的な輝きに導かれ、2人はやがて、天に浮かぶ伝説の城「ラピュタ」に足を踏み入れることになる…。 『未来少年コナン』や『ルパン3 世カリオストロの城』など、「マンガ映画」と形容するにふさわしい、いきいきとした作品を手がけてきた宮崎駿が、またしてもその天性を発揮したのがこの作品。彼の作品にしばしば登場する「空を飛ぶ」というモチーフを物語の中心に据え、昔ながらの胸躍る冒険活劇に仕立てあげた。まっすぐで行動力あふれる少年、可憐(かれん)でしんの強い少女、一見怖そうだが愛すべき悪党たち、など宮崎アニメでおなじみの要素がほかにも盛りだくさんの娯楽作品だ。
となりのトトロ
小学6年生のサツキと4歳の妹メイが引っ越してきたおんぼろな家の隣には、遠く見上げるほどに大きなクスノキの森があった。やがて2人はその森の主である「へんないきもの」トトロと出会い、胸躍る体験をすることになる…。 かつてはこんなにも豊かだった日本の自然と、それに畏敬の念をもちながら暮らす生き方のすがすがしさ。そんなテーマを夢あふれる作品に仕立てたのが、この『となりのトトロ』だ。『ルパン3世カリオストロの城』『風の谷のナウシカ』などを手がけ、アニメファンの間ではすでにカリスマとなっていた宮崎駿監督の存在を一般に知らしめた作品でもある。 他人への優しさを忘れない人々、両親の言葉ひとつひとつに込められた愛情、何げない日常の 1コマがドキドキするものに変わるその瞬間。どの場面を見てもみずみずしく、そして懐かしい。トトロの姿に子どもは目を輝かせ、大人は心が洗われる、まさに世代を超える名作と言えるだろう。
魔女の宅急便
1989年の宮崎駿監督による劇場用長編アニメーション作品。13歳になり、魔女の修業のために黒猫ジジとともに街を出る少女キキ。新たに住まいとして選んだ街で配達屋として暮らす中で、居候先のパン屋のオソノさん、空を飛ぶことにあこがれる少年トンボなど、さまざまな人との出会いをとおし、落ち込んだりしながらも魔女として、人として成長していく姿を描く。 修業に旅立つところから物語が始まるのだが、そのやや長めの場面で早速こちらを映画に引き込ませる。そしてほうきで飛び立ちスイッチを入れたラジオから荒井由実の「ルージュの伝言」が流れ、やっとタイトルが現れる。そのタイミングの見事さ。物語も演出も細部に至るまで実に丁寧に作られており、何度も繰り返し観たい作品になっている。
ルパン三世 - カリオストロの城
ゴート札なる偽札を製造し、世界経済の裏側で暗躍していると伝えられるカリオストロ国にやってきたルパン三世(声・山田康雄)たち。そこでルパンは、カリオスト伯爵の妻にさせられようとしている王女クラリス(声・島本須美)を救うべく、活動を開始する。 『ルパン三世』劇場用アニメ映画第2作だが、宮崎駿監督の快活な演出により、従来のシリーズとは一味違った恋とロマンの冒険大活劇の傑作、というよりも今や映画史上に残る不滅のアニメーションとして世界的に親しまれている名作である。クラリスは日本アニメ界最高最大の美少女として今も誉れ高い。泥棒にしては今回何にも盗まないルパン…と思いきや、実はものすごいものを盗んでいたことが発覚するラストは、観る者の胸をキュンとさせてくれる。
未来少年コナン
アレグサンダー・ケイの小説『残された人々』をベースに1978年にNHKで放送された、宮崎駿が初の演出を手がけたアニメーション。人類が滅亡の危機を乗り越え20年。少年コナンが太陽エネルギーのカギを握る少女ラナと出会い、彼女をねらうインダストリアを敵に回して活躍するSF冒険活劇の傑作。
アルプスの少女ハイジ
5歳の少女ハイジは、アルプスの山に住む祖父、アルムおんじに預けられる。偏屈な頑固者で知られていたおんじだが、ハイジには心を許し、ハイジは大自然の中でのびのびと生活する。しかし8歳になる頃、おばのデーテによって無理やりフランクフルトのゼーゼマン屋敷にやられることに。そこで足の悪い少女クララと友達になるハイジだが、アルプスの山へ戻りたい気持ちは抑えられず…。
ヨハンナ・スピリの原作をアニメ化した、1974年の放送作品。高畑勲が演出を務め、宮崎駿も画面設定としてクレジットされている。ハイジが長いブランコをこぐオープニングや、わらのベッドにふんわりとシーツを敷くシーン、やぎの乳やとろけたチーズがおいしそうだったことなどが、強く印象に残っている人も多いだろう。現在ではほとんど伝説と化している傑作である。
いわゆる「名作アニメ」の代表格である本作だが、「日本アニメーション」ブランドの「世界名作劇場」は翌年の「フランダースの犬」から。とは言え、無邪気な主人公、それに影響を受けて変わっていく周囲の人々、かわいらしい動物や豊かな自然、やがて来るつらい生活、結ばれる友情、努力の成就…と、後の「名作」シリーズの基本的要素がすべて入っており、いわば「名作」シリーズのスタンダード的な作品。綿密な取材に裏打ちされた脚本や作画、演出もまことに見事で、TVアニメ黎明期ならではの職人芸、ここに極まれりといった印象だ。最初にして最高の「名作」シリーズと言ってもいいかもしれない。
